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  • 2012/08/11/Sat 03:08:44
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空に向かって6

可南子はファッションショーの会場に来ていた。
客としてではなく、出演するモデルとしてでもなかった。
所属する事務所の先輩モデルのサポート・・というと聞こえはいいが、要するに雑用係であった。
しかも交通費や食事代しか支給されない、タダ働きである。
けれど可南子には不満はなかった。もともとリリアンの校則では原則アルバイト禁止であったし、
単純に労働力のみ求められているのではない事は理解していた。
これもレッスンの一環なのだ。
現場の雰囲気を経験するのが第一目的なのだろう。
実際、裏側から見るショーは可南子には、とても興味深かった。
といっても、ぼんやり観察している余裕などは無かった。
次の服の準備、着替えの手伝い、デザイナーやディレクターへのメッセンジャーガール等々、
仕事は山程あった。スタ祐巳さまは事務所の現場責任者としてモデルに大声で指示を出していた。
言葉使いは丁寧だけれど、今まで聞いた事がないほど口調は強くモデルに有無を言わせなかった。
可南子は初め驚いたが、すぐに慣れた。仕事に真剣なのは好感が持てたし、新しい一面を知れて
むしろ嬉しかった。
可南子は夢中だったので、自分もまた周囲から観察されている事に気づかなかった。
身長やスタイルから次期戦力候補である事は、一目で明らかだった。
可南子はもともと、よく気のつくほうだったが薔薇の舘でさらに鍛えられていた。
そして何といってもフットワークが軽かった。大勢の人間が行き来する中バスケの要領で華麗にパスして行く。
いわば今回は可南子のお披露目も兼ねていたのだが、大成功だった。若手だが実力派のデザイナーが可南子の
イメージでデザインを考えるきっかけになったほどだった。

(でも、髪長すぎるよね)

それが可南子以外の全員の共通認識だった。基本はベリーショートで必要とあればウィッグを着ける。
モデルの常識だったが、まさかそれが後の大問題になるとは、この時点では誰も予想できなかった。
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