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  • 2013/06/16/Sun 18:49:11
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アイドルをプロデュースするお仕事

「YYK48?なにそれジッパーの会社?」
由乃さんは眉をひそめた。
「いえ、山(Y)百合(Y)会(K)の略です」
日出実さんは企画書を片手に、にこやかに答えた。
「アイドル?私はやってもいいけど、あと47人はどうするの?」
瞳子が答えた。
「リリアンの生徒は全員山百合会の会員だけれど……それならLLAでも良くはなくて?」
志摩子さんがおっとりとたずねた。
「初めはそういう名称も考えたんですが……どこから嗅ぎ付けたのか、それなら私も参加資格があると
佐藤聖さまや栄子先生が……」日出実さんは苦虫を噛み潰したような顔をした。
年増は好みでないらしい。
「それで山百合会かあ。高等部限定なのね」
祐巳は感心した。確かにリリアン女子大やリリアン教職員まで含めたら収拾がつかなくなるだろう。
名称もいかにも新聞部の考えた企画らしい。
「で?具体的には何をやるの?」
乃梨子ちゃんが実務的に問い質した。
「皆さんご存知のように、この夏休み明けから校内テレビ放送が始まるわけですが」
……正確にはテレビではない。各教室に設置されるのはモニターであり、校内LANの一環として
リリアン公式サイトを中心に運営される(らしい)。動画も含まれるので年配のシスター達にも
イメージしやすいように言い換えていたのが通称になってしまった。
「提供されるコンテンツの企画・立案、取材、出演等を担当するグループにしたいと」
「え?それじゃ放送部は?」
「技術的なサポートだけなら現状の人員でも可能だそうです」
逆に言えば、それ以上の仕事は無理だということだ。
もちろん生徒会執行部としての狭義の山百合会にも、そして新聞部にもそんな余裕はない。
「へー私、そういうのはPC研究会が立候補すると思ってた」
「いえ、彼女達は表に出るのは恥ずかしいそうで……引きこもり?
「ふーん、仕事内容はわかったけれど……どうやって選抜するの?」
「基本的には立候補で。数が足りない時は他薦も考えています。各自ポスターなど用意すると大変なので
モニターの試験をかねてネット上で。補助的に紙媒体も用意します」
「それで新聞部なわけね」
「でも48人って多すぎない?そんなに必要なの?」
「毎日専従で活動するわけではなく、持ち回りですので……それに各学年16人ずつくらいは必要かと」
「その48人の扱いは同好会でよろしいのですか?」
菜々ちゃんが確認した。
「いえ、それだと校内で最大の勢力になってしまいますし、運営には部費ではなく学校から特別予算が出ます」
「つまり、あくまで選抜された一般生徒の集合というわけね」
「そうです。実際にはリーダーが必要でしょうが、そういうのも話し合いで決めてもらいます」
皆、日出実さんの説明に感心した。
こういう企画をプロデュースする能力は山百合会に少し足りない。
まあ、それこそ日出実さんも山百合会の会員なのだから人材として活用して何の問題もない。


けれど、この会議の参加者は全員甘かった。

翌年、選抜された48人がクーデターを企て薔薇の館に討ち入りするとは誰も予想できなかったのである。

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