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  • 2013/05/11/Sat 19:37:03
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聖なる存在

私は彼女が嫌いだった。
なぜなら彼女が私を嫌っていたからだ。
かといって、彼女から何か嫌がらせをされたという訳ではない。
もともと嫌がらせをするような生徒は、このリリアン女学園にはめったにいない。
だから彼女が私を嫌っているというのは、私がそう感じているだけなのだが
間違ってはいないと思う。
自慢ではないが、私はこの学園では人気者だ。
何しろ私の顔を一目見ようと学年を問わず多くの生徒がやってくるぐらいなのだ。
正直、うるさく感じる事もあったが邪険な態度をとるほど幼くはない。
適当に愛想をふりまいていれば平和におさまるし、私自身もそういう大人な自分に
プライドを持っていた。
彼女と初めて出会ったのは学園の中庭だった。
その瞬間、彼女の瞳に確かに好意以外の複雑な感情が浮かんだ。
私には、なぜそんな視線を向けられるのか理由の見当もつかなかった。
ただ、向こうは噂からでも私の事を知っていたのだろう。
何か誤解があるのかもしれない。
彼女は他の生徒とは違うということで、私には特別な存在になった。
気になって、つい観察していると彼女もまた人気者であることがわかった。
ではあの視線は嫉妬心からくるものなのだろうか?
しかし、彼女自身は他者に対して壁を作っていて普段でも一人でいることが多かった。
内面に複雑な感情を抱え込んでいるようだったが、それを補って余りあるほどの美貌も
備えていた。
私ですら一人佇む彼女の横顔に、思わず見とれてしまうほどだった。
私は、私を嫌う彼女に反発心を抱きながら、もし寂しいのなら私が慰めてあげるのにと
矛盾した感情にとらわれていた。

そんな私と彼女の関係に劇的な転機が訪れた。









その日、私のもとに彼女は私の命の恩人と共に訪れてきた。
私にとって特別な人間が二人そろってやってきたのだ。
そして私は理解した。
彼女は私と私の命の恩人との関係に、自分を投影していたのだ。
私は彼女を理解できたようで嬉しかった。
彼女もまた、私の命の恩人と話し込んで自分の気持ちに整理がついたようだった。

次の日から、彼女は私に食事を運んでくれるようになった。

そして、優しい声で私を呼んでくれるようになった。

「ゴロンタ」と。
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