スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  • 2013/10/12/Sat 05:39:01
  • COMMENT:0
  • TRACKBACK:0
  • CATEGORY:未分類

薔薇の乱舞

水曜日の五時間目。
一年桃組の教室は異様な雰囲気に包まれていた。
急に体調を崩した、生理になった等で保健室やトイレに行く生徒が続出したのである。
もちろん、それらは口実で目的は三年藤組、松組の合同体育をこっそり覗く事であった。
この二クラスには現生徒会長である紅白黄の薔薇さま方が在籍しており、今の時期は
第二体育館で創作ダンスという授業内容であった。
もちろん桃組だけが特にミーハーというわけではなく、一年菊組や椿組など他のクラス、
ひいては二年生のクラスも内心浮き足だっていたはずである。
それでも表面上は粛々と授業が進められているのは真面目なリリアン女学園らしかった。
一年桃組の特異な点は、その時間を担当する社会科教師にあった。
…ゆるいというか、去る者は追わずというか成績はテストでのみ評価し授業態度は一切
問わない主義で有名だった。
かくいう私も授業をサボタージュし、友人達と第二体育館の外壁に張りついていた。
地上と底面に段差があるのでちょうど立った位置に底面の窓があり覗きやすい。
また柔らかい秋の日差しに包まれた快適な空間である事も人気の理由のひとつだろう。
もっとも外部入学生である私は、三馬鹿さまだか三婆さまだかに興味はなかった。
というか正直リリアン女学園そのものにも、うんざりしていた。
卒業生である母親の強引な勧めで入学はしたものの、女ばかりで男子のいない環境は
すごく退屈だった。それでも入学前は女ばかりなら、あけすけな話題でも楽しめるかと
少しは期待したもののクラスメイトは上品なお嬢様ばかりだった。
だからといって不登校にもなれず、気のあった友人達に誘われると断れずにこうやって
つきあってしまう。やっぱり、ぼっちはこわいのだ。

「ほら、あれが白薔薇さまよ。なんておきれいなんでしょう」

(そりゃアンタはファンなんだろうけれど)
愛想笑いを浮かべて、義理で視線を向ける。

(・・・うん、確かに美人かもしれない・・・でも、あの動きは何だ?)

音楽に合っているし、プロポーションもいいのに何か違和感がある。

「さすが名取よね」

(・・・そうか、日本舞踊を8ビートで踊るとああなるのか・・・)

「あら、紅薔薇さまだって個性的で素敵よ」

(・・・うん、コミカルな動き・・・これは・・・ドジョウすくい?)

「黄薔薇さまの凛々しさも見逃さないで」

(うん、これはわかる。これは剣道の型だ・・・身体が硬いから、ロボットダンスみたいになっているけれど)

気がつくと目が離せなくなっていた。
・・・こんな人達がいる生徒会って、いったい・・・

そんな私を友人達は、してやったりとニヤニヤ笑いで眺めていた。
スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。